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しっておくべき制度と用語

債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例

2015.04.28
企業再生

「債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例」とは、平成25年4月平成28年3月までの間に、所定の条件で債務処理計画を策定し、保証人個人の資産のうち事業の用に供されている資産を会社に贈与した場合、保証人個人に課されるみなし譲渡所得税が免除されるという制度である。

 

中小企業の場合、経営者一族が個人で保有している資産を事業に利用し、会社から賃料や使用料等を受け取っているケースがよくある。事業が順調なうちはあまり問題ないが、事業が傾いてくると、このような状態はメリットが少ない。金融機関の返済が滞るほど資金繰りが厳しいようなときは、経営者一族への賃料など後回しになることがほとんどで、経営者一族としては実際にお金を受け取っていないのにもかかわらず、所得税だけは課税されてしまうからだ。

 

また会社の経営がさらに悪化し、いよいよ金融機関の借入金について返済できませんとなったとき、経営再建計画(債務処理計画)を作成するのであるが、その際に借入金の保証人となっている個人はその保証人責任を果たすことが求められる。保証人責任の履行方法は様々であるが、上述した個人保有の事業用資産は会社へ贈与又は譲渡することを求められるのが一般的である。

 

もともと事業用の資産であるので、オーナーチェンジなどが行われない限り、会社へ贈与することに対しては、経営者一族も特に反発がないことが多い。但し、ここで問題となるのが個人への所得税の課税である。通常、個人が法人に資産を贈与、若しくは時価より低い価額で譲渡した場合は、個人に「みなし譲渡所得税」が課される。(所得税法59条)

 

個人資産を潤沢に持つリッチな経営者ならともかく、経営者の中には私財を会社に注ぎ込んで個人資産をほとんど持たない方も多くいる。そこにきてのみなし譲渡所得税の支払いはとても厳しい。

 

そこで活用できるのが「債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例」である。現時点(H27.4)では平成28年3月までの贈与に限定されるが、再生計画が中小企業再生支援協議会の主導で行われている場合などは、制度を利用し、保証人個人のみなし譲渡所得税が免除される可能性もある。制度の適用には以下のとおり要件があるため、実務上は再生計画策定時に制度適用を想定し書類の整備をする必要がある。

 

(要件)

1.贈与をした日の属する年度の所得税の確定申告書を提出すること

2.債務処理計画が中小企業再生支援協議会、地域経済活性化支援機構、震災支援機構等の準則に則り作成された計画であること

3.贈与をした経営者が再生企業の保証人であり、債務処理計画に基づいて保証債務の一部の履行をしていること

4.保証債務の一部の履行をしても、その個人が再生企業の債務の保証に係る保証債務を有していることが債務処理計画において見込まれていること

5.再生企業が中小企業者に該当すること

 

計画書作成のテクニカルな点や書類整備など、実務的な個別相談は笠間税務会計事務所までご連絡ください。

2015.04.28

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