インボイス制度に対応できる補助金の申請方法
2022.12.09
税務
インボイス制度の実施後、請求書などの発行や、資料の保存が煩雑になるため、多くの企業がインボイス制度に対応するデジタル化システムを導入を検討することになるだろう。
今回はインボイス制度に対応する際、使える補助金とそれらの申請方法について解説する。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金では、小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(インボイス制度該当)等に対応するための取組の経費の一部が補助される。
・補助率と補助上限
インボイス制度枠で申請する場合、経費の2/3が補助される(上限100万円)。
・補助対象
小規模事業者等[注1]
・補助対象経費
インボイスに対応する取り組みにかかる費用としては、
①機械装置等費の「管理業務効率化のためのソフトウェア」
⑪委託・外注費の「インボイス制度対応のための取引先の維持・ 拡大に向けた専門家(税理士、公認会計士、 中小企業診断士等)への相談費用」
が該当すると考えられる。
補助金を申請するにあたって実績報告の際に成果物が分かる資料の提出が必要となる。
特にインボイス対応のためのコンサルティングを受けた場合、成果物が分かる資料が不足していることが多々あるため、コンサルティング内容の実施報告書など実施内容が確認できる資料を提出することが求められる。
・申請方法
○申請受付開始: 2022年3月29日
○申請受付締切:
第10回:2022年12月上旬[郵送:締切日当日消印有効] (事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則2022年12月上旬)
第11回:2023年2月下旬[郵送:締切日当日消印有効] (事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則2023年2月中旬)
※変更される場合有。
○申請手続きの基本的な流れ:
1.申請に必要な書類を作成。
2.補助金事務局等に申請をする前までに、「経営計画書」および「補助事業計画書」(様式2・3)の写し、希望する枠や加点等に関する書類等を地域の商工会・商工会議所窓口に提出。
3.後日、地域の商工会・商工会議所より「事業支援計画書」(様式4)が発行される。
4.受付締切(郵送:締切日当日消印有効)までに、必要な提出物(別紙「応募時提出資料・様式集」)を全て揃え、補助金事務局まで電子申請または郵送により提出。
(持参・宅配便での送付は受け付けなし。)
※電子申請の場合は23:59まで受付。郵送の場合は当日消印有効。
○必要資料:
「応募時提出資料・様式集」を参照。
[参考資料]
IT導入補助金
IT導入補助金では、事業者の労働生産性の向上やインボイス制度を見据えたデジタル化の推進のためのITツールの導入費用の一部が補助される。
・補助率と補助上限
導入するソフトウエアは「会計」・「受発注」・「決済」・「EC」の機能を2機能以上有する場合、補助率が2/3(上限350万円)で、1機能以上有する場合、補助率が3/4(上限50万円)。
レジ・発券機を導入する場合の補助率は1/2(上限20万円)。
・補助対象
中小企業等[注2]・小規模事業者等
・補助対象経費
・申請方法
○申請受付開始: 2022年3月31日
○申請受付締切:
複数回締切を設け、それまでに受け付けた申請を審査し交付決定を行う予定。
スケジ ュールの詳細が決まり次第、本事業ホームページ上で公開される。
○申請手続きの基本的な流れ:
※交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けられない。
○必要資料:
[参考資料]
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり補助金は「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」の4種類があり、インボイス制度に対応するシステムを導入の場合、デジタル枠が対象になる。
・補助率と補助上限
デジタル枠の補助率が2/3で、上限補助額が750万円~1,250万円、従業員規模により異なる。
・補助対象
中小企業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人
・補助対象経費
インボイスに対応する取り組みにかかる費用としては、
①装置・システム構築費
③専門家経費
⑤クラウドシステムサービス利用費
が該当すると考えられる。
※①の設備投資は単価50万円(税抜き)以上であることが必要。
・申請方法
○申請受付開始: 令和4年11月7日(月) 17時 (13次締切)
○申請受付締切: 令和4年12月22日(木) 17時 (13次締切)
○申請手続きの基本的な流れ:
申請は、電子申請システムのみで受け付け、GビズIDプライムアカウントの取得が必要。
○必要資料:
公募要領「表1:添付書類」を参照
[参考資料]
[注1] 小規模事業者等
[注2]中小企業等
2022.12.09