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しっておくべき制度と用語

消防団員の報酬と所得税

2022.08.04
税務

消防団とは、消防組織法に基づき全国の各市町村に設置されている組織であり、その構成員である消防団員は、非常勤特別職の地方公務員として消防防災活動を行っている。

全国の消防団数は約2,200団、団員数は約81万人である。

 

多くの市町村では、条例に基づいて、年額報酬(数万円程度)や災害活動または訓練に出動した際の出動手当(1回あたり数千円程度)などが支給されている。

それらの報酬・手当の取扱いは、令和4年4月以後の支給分より以下の通り改正された。

 

【改正前】所得税基本通達28―9(非常勤の消防団員が支給を受ける各種の手当等)

 

消防組織法第18条《消防団》の規定に基づき市町村に設置された消防団に勤務する非常勤の消防団員が当該市町村から支給を受ける各種の手当等については、次による。

 

(1) 当該非常勤の消防団員が、消防、水防等のために出動した場合に支給を受ける出動手当、警戒手当、訓練手当等で、その者の出動の回数に応じて支給されるもの(以下この項において「出動手当等」という。)については、28-8の「その職務を行うために要した費用の弁償」に該当するものとして差し支えない。

 

(2) 当該非常勤の消防団員が、その者の出動の回数に関係なくあらかじめ定められている年額、月額等によって支給を受ける報酬については、その年中の支給額が5万円以下であるものに限り、課税しなくて差し支えない。

 

 

【改正後】所得税基本通達28―9(非常勤の消防団員が支給を受ける金銭)

 

消防組織法第18条《消防団》の規定に基づき市町村に設置された消防団に勤務する非常勤の消防団員が当該市町村から支給を受ける金銭については、次による。

 

(1) 当該非常勤の消防団員が、災害、警戒、訓練等の職務に従事する場合に、その者の出動の日数等に応じて支給を受ける金銭(交通費を除く。)については、次による。

 

イ 出動時に要する費用の弁償として支給を受けるものは、次に掲げる出動の態様に応じ、それぞれ次に定める金額までの部分については、課税しなくて差し支えない。

(イ) 災害に関する出動(水火災又は地震等に係る出動をいい、火災原因調査又は警戒等に係る出動を除く。) 1日につき8,000円

(ロ) (イ)以外の出動 1日につき4,000円

 

ロ イにより課税しなくて差し支えないとされるもの以外のものについては、給与等とする。

(注) 交通費については、法第9条第1項第4号の規定の適用があることに留意する。

 

(2) 当該非常勤の消防団員が、その者の出動の日数等に関係なくあらかじめ定められている年額、月額等によって支給を受ける金銭については、次による。

 

イ 消防団員としての活動に要する費用(出動時に要する費用を除く。)の弁償として支給を受けるものは、その年中の支給額が5万円までの部分については、課税しなくて差し支えない。

ロ イにより課税しなくて差し支えないとされるもの以外のものについては、給与等とする。

 

改正前の取扱いでは、出動手当・警戒手当・訓練手当等など出動の回数に応じて支給される手当等は、費用の弁償として課税されないこととなっていたが、今回の改正により給与所得として所得税の課税対象となった。

 

ただし、消防団の活動の実態に鑑みて、出動報酬のうち費用弁償部分(1日につき8,000円又は4,000円)については課税しなくて差し支えないこととなったため、出動報酬のうち費用弁償部分(1日につき8,000円又は4,000円)を超える部分についてのみ所得税の課税対象となった。

なお、年額報酬の取扱いに変更はない。

 

今回の改正により、出動報酬の支払により確定申告が必要になるケースも想定される。

ただし、これまで確定申告をしていなかった者が、今回の改正により新たに確定申告が必要になるケースとして考えられるのは次の2パターンほどであり、基本的には、それ以外の場合に所得税の確定申告が新たに必要になるわけではない。

 

①出動報酬(費用弁償部分を超える部分に限る)を受け取ることにより、本業(他の主たる給与)以外の収入金額が 20 万円を超えることになる場合

 

②出動報酬(費用弁償部分を超える部分に限る)を受け取ることにより、給与の年間収入金額(他の主たる給与との合算金額)が 2,000 万円を超えることになる場合。

 

 

最後に、出動報酬(費用弁償部分を超える部分に限る)に係る源泉徴収税額の取扱いは以下の通りである。

 

①出動報酬を月ごとに支払う等の場合:月額表

 

出動報酬を出動のあった日ごとに支払う等の場合:日額表

 

 

 

また、消防団員が出動報酬を支払う市町村に対して「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合には税額表の「甲欄」により、当該市町村に対して同申告書を提出していない場合には税額表の「乙欄」により、出動報酬が日雇賃金に該当する場合には

税額表の「丙欄」により源泉徴収税額を算出する。甲欄で算出するケースは限定的と思われる。

 

 

2022.08.04

税務

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