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しっておくべき制度と用語

中小企業再生支援協議会

2014.08.18
企業再生

中小企業基盤整備機構のホームページによると、中小企業再生支援協議会とは、

「産業競争力強化法127条に基づき、中小企業再生支援業務を行う者として認定を受けた商工会議所等の認定支援機関を受託機関として、同機関内に設置されています。中小企業再生支援協議会は、平成15年2月から全国に順次設置され、現在は全国47都道府県に1ヶ所ずつ設置されています。

中小企業再生支援協議会では、事業再生に関する知識と経験とを有する専門家(金融機関出身者、公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士など)が統括責任者(プロジェクトマネージャー)および統括責任者補佐(サブマネージャー)として常駐し、窮境にある中小企業者からの相談を受け付け、解決に向けた助言や支援施策・支援機関の紹介や、場合によっては弁護士の紹介などを行い(第一次対応)、事業性など一定の要件を満たす場合には再生計画の策定支援(第二次対応)を実施しています。」

とされている。これだけ読んでも良く分からないが、経済産業省所管の公的機関で、国の予算で運営される、れっきとした「お上」である。法的には大した権限はないのだが、現実問題として金融機関に対する影響力は大きい。特に中小企業がDDS(デット・デット・スワップ)や債権カットを含むような金融支援を受ける場合には、中小企業再生支援協議会による関与があることが多い。私が知っている中小企業再生支援協議会の方々はそのような機能を期待しないでほしい、と言っているが、特定の企業に特別な金融支援を行う場合、金融機関は「お上」である中小企業再生支援協議会の関与を正当性の根拠にしたいのである。また、中小企業再生支援協議会による再生支援があれば、評価損の損金算入や期限切れ欠損金の損金算入など税法上の特別な規定の適用を受けられる場合があるので、そのような面からも中小企業再生支援協議会の関与は中小企業の再生にとって重要な存在となっている。

中小企業再生支援協議会は、都道府県単位で設置されているが、平成19年には「全国本部」が設置された。私は中小再生支援協議会ができて間もない平成15年に自らの会社で再生支援協議会の関与を受けて再生計画の作成を行った。それ以来、全国の20近い中小企業再生支援協議会の関与する企業の仕事をしてきたが、全国本部が設置されるまでは、あまり確立された基準がなく、再生支援のやり方も各都道府県でかなり違っていた。全国本部が設立されて以降、再生支援の手順が標準化され、よりソフィストケートされたように思う(悪く言うと、よりお役所的になったとも言える)。しかし、以前ほどではないにせよ、現在でも都道府県単位でカラーがかなり異なり、まるでコンサルティング会社のように積極的に案件に関与してくれる都道府県もあれば、基本的にメインバンク任せであくまでサポートと調整のみを行うというスタンスの都道府県もある。

中小企業再生支援協議会は、あくまで調整機関であって、金融機関に対する強制力はないが、取引金融機関が多くて金融支援の足並みが揃わないような場合には、非常に頼りになる存在である。そのような場合には、一度相談に行ってみることをお勧めする。

なお、中小企業再生支援協議会が関与できるのは、企業だけであって、病院や学校の案件には関与できない。病院や学校でも借金はするし、経営計画も存在するのだから、同じではないか、と思うのだが、病院は厚生労働省、学校は文部科学省の管轄なので、経済産業省所管の機関は手出しできないのだろう。いかにも日本的な話で何とかならんのか、と思うが、如何ともしがたいのが現実である。

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2014.08.18

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